伝統の花開く「つばき」
日本の缶詰製造第一号で選ばれた椿油
イワシの油漬け缶詰誕生には日本在来の植物油を採用するも菜種油、
ごま油、とさまざまな植物油を試した果てにたどり着いたのが、椿油。
この缶詰は、フランス製品に劣らないものだったと言われています。
日本の缶詰製造第一号の完成は、明治4年(1871年)のことでした。
缶詰の発明•日本植物油協会
ごま油、とさまざまな植物油を試した果てにたどり着いたのが、椿油。
この缶詰は、フランス製品に劣らないものだったと言われています。
日本の缶詰製造第一号の完成は、明治4年(1871年)のことでした。
缶詰の発明•日本植物油協会
金ぷら
昔から貴重な食材として用いられいた椿油。江戸時代に椿油を使用した天ぷらは金ぷらと呼ばれ、屋台が主流だった時代に一部の座敷で一部の士人の間で好まれていた天ぷらでした。
つばきの櫛 縄文時代前期
日本の櫛の歴史は古く、福井県の鳥浜貝塚から【縄文時代前期】(5~6千年前)の木製の櫛が発掘されています。この櫛は、ヤブツバキ製で一枚板から九本の歯を削り出したもので赤い漆が塗られていました。櫛は、髪に挿すことで霊力を授かったり、魔除けとしたりする呪術的な意味も込められていたようです。櫛が木に変じた伝説も日本各地に残っており、古来、櫛は、髪の霊力を招くと信じられ、その力を放てば命が生まれ、身に付ければその人を守るとされていました。
参考文献 『櫛』NHK「美の壺」制作班
若狭歴史博物館
参考文献 『櫛』NHK「美の壺」制作班
若狭歴史博物館
つばきを歌う万葉集 9首
巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ偲ばな 巨勢山の春野を
巻1 54 坂門人足
河上の つらつら椿 つらつらに 見れども飽かず 巨勢の春野は
巻1 56 春日蔵首老
吾妹子を 早見浜風 大和なる 吾待つ椿 吹かざるなゆめ
巻1 73 長皇子
みもろは 人の守る山 本辺には 馬酔木花咲 末辺には 椿花さく
うらぐはし 山ぞ泣く 子守る山
巻13 3222 詠人不詳
あしひきの 山海石榴咲く 八つ峰越え 鹿待つ君が 齋ひ妻かも
巻6 1262 詠人不詳
奥山の 八峯の椿 つばからに 今日は暮らさね 丈夫の伴
巻 19 4152 大伴家持
わが背子と 手携張りて あけ来れば 出で立ち向ひ 夕されば 振り放け見つつ 思い延べ 見なぎし山に 八つ峯には 霞たなびき 谷辺には 椿花咲き
うら悲し 春過ぐれば 霍公鳥 いやしき鳴きぬ 独りのみ 聞けば寂しも 君と我れと 隔てて恋ふる 砺波山 飛び越え行きて 明け立たば 松のさ枝に 夕さらば 月に向かいて あやめぐさ 玉貫くまでに 鳴き響め 安寐寝閉めず 君を悩ませ
巻 19 4177 大伴家持
わが門の 片山椿 まこと汝 わが手触れなな 地に落ちかも
巻 20 4418 物部広足
あしひきの 八峯の椿 つらつらに 見とも飽かめや 植ゑてける君
巻 20 4481 大伴家持